月島・勝どき・晴海地区の中学受験大手塾に通塾したとき、生活への影響は?
前回は主にカリキュラムの面から、大手塾の概況について書きましたが親御さん的に最も気になるのは生活への影響です。
通塾した後の帰宅が比較的早い塾と遅い塾、家庭学習の負担も含めた就寝時間などが中学受験生としての生活をかなり左右することになります。
6年生ともなると塾が終わるのが20時半とか21時とか、非公式ではありますが担当の先生が居残りさせることで22時を超える塾もあります。
私が塾での仕事を終えて、片付けや翌日の準備をしてから帰宅する時にそれらの塾(カバンや会話などでわかる)から帰宅する子たちと出くわすので事実です。
4年生の段階からお弁当が必要な塾とそうでない塾があり、共働き家庭が比較的多い湾岸地区住人にとって見逃せないポイントです。
早稲田アカデミー(月島校・豊洲校など)と四谷大塚(勝どき・豊洲校など)の特徴
非公式の居残りや自習部分を外したとしても、早稲田アカデミーと四谷大塚は塾での拘束時間が長めの塾です。
良く言えば塾にお任せできる部分が大きいとも考えられますが、担当がイマイチだったりお子さんが下位クラスに甘んじていたりする場合は無駄な時間を長く過ごすことにもなりかねず、小学校生活の貴重な時間を無為に過ごさないよう常にチェックしておく必要があります。
特に、四谷大塚の下位クラスの子(おおむね四谷大塚偏差値45未満)にとっては「高速基礎マスター」というパソコン学習がかなりの負担になるため気をつけたいところです。教室による差もあるようですが、これを塾で過剰にやらされるあまり勉強が嫌いになったという子が実際に何人もいて、例の事件のこともあって四谷大塚は非常にお勧めしづらい塾になっています。
早稲田アカデミーと四谷大塚の違いは?
両者の違いを挙げると早稲アカは帰宅時間遅め・通塾日数標準で、四谷は帰宅時間標準・通塾日数多め(6年生は週5回が標準)です。
関西系の塾(東京に進出しているのは希学園・駿台浜学園など)は帰宅時間遅め・通塾日数多め(週6回になることも)なのでそれに比べればいずれも少ないと言えます。
サピックス(東京校・豊洲校・晴海校など)の特徴
サピックスは6年生でこそ授業が21時終了ですが、中学受験塾としては帰宅時間標準・通塾日数標準と言えるでしょう。
ただし渡される教材の量が多く、次回授業時の確認テストもレベルが高いので家でどこまでやり込むかによって生活が大きく変わります。
塾のない日は親御さんが一緒に取り組むとか、家庭教師や個別指導を併用するなどといった工夫をしないと4年生からこなしきれなくなるケースも多く見られます。
グノーブル(東京校など)の特徴
グノーブルはサピとほぼ同じカリキュラムを、5年生時に週2日に絞り込んで進めています(サピは5年生が週3日)。
「習い事などで塾を最小限にしたい、でもレベルは落としたくない」という場合に有力な選択肢となりますが、授業時間が少ないということはそれだけ少ない時間で多くのことを身につけなければならないという意味でもあるので、親御さんの手綱の捌き方がより重要になります。私は密かに「意識高い系の塾」と呼んでいます。
日能研(豊洲校・勝どき校・深川校など)の特徴
日能研は帰宅時間やや早め・通塾日数標準なので無理なく中学受験を進めたいご家庭にとってはおすすめです。
カリキュラムは遅めと書きましたが、4年生から5年生・6年生とだんだん深く広く学習していく構成になっているので少しずつペースを上げていくこともしやすいです。中学受験の早期化が進む中、「決して難関校を狙っているわけではない」という方にとってはいいと思います。
一応誤解のないように書き添えると、一番上のクラスに居続ければ難関校もちゃんと狙えます。
市進学院(月島校・門前仲町校・豊洲校など)の特徴
中学受験的には準大手的扱いになりますが市進学院が独自の考え方で運営されているため、選択肢の一つとして紹介しておきます。
ここは「6年生でも家族と夕食を取れる」というコンセプトのもと、授業時間を絞り込んで家庭でできるところは宿題で、という考え方で運営されています。そういう考えに共感できるのであれば、日能研以上に無理なく中学受験を進められます。
「夜は21時半頃までには寝かせたい。勉強は早起きさせて一緒に取り組みたい。」というご家庭には最も適しているのではないでしょうか。
栄光ゼミナール(勝どき校・豊洲校など)の特徴
中学受験塾としての栄光ゼミナールは、全てにおいて中途半端感が否めません。
「とりあえず公立中進学の方向性だけど、もし勉強に目覚めたり小学生段階で才能が芽生えてくるなど、状況が変わったら中学受験させてもいいかも」という方にだけはお勧めします(笑)。カリキュラムは決して悪くはないのですが、近隣の2教室ではいい話をほとんど聞きません。私が塾を始めた頃には八丁堀校・月島校がありましたが、今はどちらも閉めているのがその証左でしょう。
栄光に行かせるようでしたら、栄光の教材(新演習)を使用した中小塾や個別塾に行かせた方がいいと思います。
その他、中小塾については夏休みなどの長期休暇や6年生の後半にかなりの拘束時間を設定して「塾漬け」にすることで合格させていくところも少なくないです。そういった点が気になるようであれば入塾を検討される際に「6年生の通常時期や夏休みって、どのくらい拘束時間がありますか?」と質問しておくと良いと思います。しかし中小塾に限って6年生になった時に「去年までは授業日数が少なかったけど今年から増えた」ということもあるのでそういったリスク込みでお考えください。
<今回のまとめ>中学受験大手塾の通塾日数、授業時間などの拘束時間について
拘束時間長め=早稲田アカデミー、四谷大塚
拘束時間標準=サピックス、日能研
拘束時間短め=グノーブル、市進学院、栄光ゼミナール
ただし宿題の量は塾とその在籍クラスによって上記の順ではないのでご注意ください。