中学受験大手塾選び。子どもにとっては「友達関係・人間関係」も大事


大手塾の選び方について、外形的な「カリキュラム」と「拘束時間」の2点について書いてきましたが、うちの塾へご相談に来る方の多くもだいたいこのあたりを基準に大手塾選びをしてきたようです。

中学受験大手塾選びで「カリキュラム」「拘束時間」以外のポイントは?

その他多い理由としては「友だち関係、人間関係」です。
仲のいい友だちと一緒の塾がいいということで選んだ、または反対にあまり関わりたくない同級生が行っているのであの塾を避けた結果こっちの塾にした、というものです。
これについては「そんな理由で?」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、小学校での人間関係が生活の大半を占める小学生にとっては欠かせない問題です。
あまり勉強が好きではない子でも「あの子と一緒の塾なら行ってもいい」などということがありますし、事情があって受験を目指していることをあまり知られたくないという方もいます。
このブログを読んでいる方は熱心な親御さん、積極的にいい塾を選んでいきたいという方が多いと思いますが、そういう方も、上のようなやや特殊な事情の方も含めて関係のある話題に戻します。

同じ塾の中で、校舎を選んだ方がいいか?

月島・勝どき・晴海地区ならサピックスは東京校と豊洲校、それから2023年新設の晴海校が選択肢になり、地区によっては白金高輪校も視野に入ります。
早稲アカも月島校だけでなく、佃や晴海に住んでいて御茶ノ水校に通った子(で、うちの塾にも来ていた子)がいましたし、勝どきから木場校に通った子がいました。(これは改めて記事にしますが、私のアドバイスを受けての決断です)
2021年の夏に豊洲校もできたので、4大大手塾が豊洲に揃い、さらに中小塾も乱立するという状況になっています。
日能研も門前仲町にある深川校、豊洲地区で一番早くからあった大手塾である豊洲校の他に、2019年度から勝どき校が開校しました。
四谷大塚に通う場合、私が個人塾を始めた16年前は市ヶ谷校舎に通うかお茶の水校舎に通うか、、、でしたが、ららぽーとの中に豊洲校舎ができ、その後勝どき校舎、人形町校舎もでき湾岸地区から通いやすい状況になりました。

同じ塾であっても、校舎を選ぶ意義

同じ塾で校舎を選ぶことは、どんな意義があるか説明します。

サピックスの場合

まずは大規模校舎と小規模校舎です。サピックス東京校では学年にもよりますが1学年が24〜30クラスに分かれています。自由が丘校などと同様、大規模校舎とされています。
それに対して豊洲校は14〜16クラス程度です。これはサピックス的には中規模の校舎と位置付けられます。
豊洲校は、校舎移転前は部屋がなくて常時5クラスの、小規模校舎でした。
また、新設の晴海校は現在3クラス程度の小規模校舎です。(2024年に始まる勝どきパークタワーや晴海フラッグの本格的入居に伴い、クラスがかなり増えると思われます)

クラスがたくさんあるとテストによるクラス昇降が頻繁に行われます。これをどう見るかというところが決め手になります。
クラスが上がったり下がったりすることにモチベーションを感じ、勉強につなげていく競争心のあるお子さんならば大規模校舎の方がいいでしょう。それだといつも不安を感じながら勉強することになって嫌だとか、同じ先生に教わり続けた方が安心感がある、ということでしたら小規模校舎の方がいいと思います。反面、小規模校舎はクラスの流動性がない(低い)とも言えるので、頑張ってもなかなかクラスが上がらないということはよくある話です。
個人的には「サピックスは競争するための塾だから、せっかく行くなら大規模校舎へ」という意見です。

グノーブルの場合

グノーブルはまだ発展途上なので、大きめの教室(自由が丘など)でサピの中規模校舎程度の15クラス程度になります。小さな教室だと3クラス程度です。
クラス昇降はそこまで激しくない、と考えていいかと思います。
4大大手塾とは違い、文系科目と理系科目でクラスが別々なのが特徴です。

早稲田アカデミーの場合

早稲田アカデミーは全体的に小規模で多くの校舎を動かしています。月島校などは比較的大きい校舎ですが6〜7クラスです。豊洲校は現在早稲アカ最大の校舎で、7〜9クラスあるようです(2024年3月現在)。
小規模の校舎だと算国は2クラス、理社は1クラスということもあります。3クラス程度が標準規模です。
サピックスほどではありませんが、「組分けテスト」などをきっかけにクラス昇降を行います。
将棋の名人戦順位戦(またはサッカーのJリーグ)のようなイメージですが、組分けテストごとに上位下位2〜3名が入れ替わるということが多いようです。
SSクラス(概ね四谷大塚偏差値56以上)・SBクラス(概ね四谷大塚偏差値48以上)・SAクラスとゾーン分けされていて、大規模校舎だとそれぞれ2〜3クラスずつあるという編成です。
クラス判定基準を1回上回るとクラスが上がり、下がる時は基準以下を2回連続で取った場合となっており、下がることに対して慎重に判断しています(相撲の大関の「カド番」と同じ制度ですね)。

日能研の場合

日能研は大きな校舎(豊洲校など)で5クラス程度、小さな校舎(勝どき校など)は2クラス程度だと考えていいかと思います。
1クラスの人数が30人程度と比較的多めなこともあり、クラスアップはよほど努力しないとなかなか起こらないのが現実です。
2021年の情報では、深川校の優秀な子たちが「夏だけ錦糸町校に集められた」結果、元々の3クラスを2クラスに編成しなおして、夏が終わったら元に戻すという物凄く大人の事情的なことが行われました(笑)。

四谷大塚の場合

四谷大塚についてはかつては大規模校舎しか存在していませんでした。少ない数の校舎に集中的に塾生を集めるという考え方です。
その後小規模校舎もいくつか作るようになり、勝どき・人形町は小規模校舎(3クラス程度)、豊洲は中規模(5クラス程度)、お茶の水は大規模(8〜10クラス程度)となっているようです。四谷は組分けテストの結果によって自動的に機械的にクラスが決まるようなイメージになります。
例えば3クラスの校舎ならば、S組とC組(概ね四谷大塚偏差値56以上)は一番上のクラス、B組(四谷大塚偏差値48以上)は真ん中、A組は下のクラスという感じです(校舎によりクラスの境目は変わります)。

クラス数については、私が塾の本部や校舎に確認したものではなく、すべてうちの塾に通う子や相談にいらした親御さんからの情報をもとに書いています。一部古い情報もありますので、最新の情報はその都度ご確認ください。
もしこのブログをご覧になっている大手塾関係者の方がいらしたら(笑)、最新の情報をお伝えいただけますと更新します。
今後、他の方から最新情報が入った場合にもこっそり更新しておきます。

校舎を選ぶことの意義は他にもまだあるのですが、稿を改めます。>>月島・勝どき地区中学受験大手塾概況と選び方(4)

<今回のまとめ>塾でのクラス昇降について

クラス昇降を頻繁に行うところ=サピックス東京校、サピックス豊洲校(少し)、グノーブルの中〜大規模校舎
クラス昇降を(実質的に)ほとんど行わないところ=サピックスの小規模校舎、グノーブルの小規模校舎、日能研、(本文では触れませんでしたが)栄光ゼミナール、その他中小塾
頻繁ではないが、中程度のクラス昇降をするところ=早稲田アカデミー、四谷大塚